自己理解と他者理解を育む学びの場づくり
絵本作りワークショップが教育現場で注目されています。
絵本作りを通じて、生徒の自己理解や他者理解、表現力、チームワークを自然に育むことができるアクティブラーニングの手法として広がりを見せています。
今回は、京都府立乙訓高校の選択授業「保育基礎」において実際に絵本作りワークショップを導入した先生にインタビュー。
導入の背景、ワークショップ中の生徒の様子、教師としての発見、今後他校へのメッセージなど、現場のリアルな声を詳しく伺いました。
「絵本作りを授業に取り入れてみたい」「ワークショップを教育に活用したい」と考えている先生方は、ぜひ参考にしてみてください。

絵本作りワークショップ導入の背景
「保育基礎で絵本作りを取り入れたい。でもスキルがなかった」
—— まずは、絵本作りワークショップを導入しようと考えたきっかけを教えてください。
先生:
今回のワークショップは、京都府立乙訓高校の**選択授業『保育基礎』の中で実施しました。
保育に関わる授業では、絵本は欠かせない教材だと以前から考えていました。
生徒たちに絵本の魅力や教育的価値を伝える中で、自分たちで絵本を作る体験もぜひ取り入れたいと考えていたんです。
ですが、私たち教師側には絵本作りのスキルや知識がないという課題がありました。
どうすれば生徒たちにうまく絵本作りをさせられるのか、なかなか答えが見つからなくて…。
インターネットで色々と調べていたときに、竹田さんたちが実施されている絵本作りワークショップを知りました。
無料個別相談を経て、「これはぜひうちの授業にも取り入れてみたい」と思い、今回お願いすることにしました。
—— 教師側の「やってみたいけれど方法が分からない」という悩みは、多くの学校で共通していそうですね。
先生:
本当にそうだと思います。
今回、外部のプロのサポートを受けて絵本作りワークショップを実施できたことで、自分たちだけではできなかった体験を生徒たちに届けられたのは非常に大きかったです。

京都府立乙訓高校・保育基礎授業における絵本作りワークショップの様子
短時間でも生徒のチーム力が育つ絵本作り
—— 実際のワークショップの様子はいかがでしたか?
先生:
生徒たちは熱心に絵本作りに取り組んでくれました。正直、ここまでできるとは思っていなかったので、私自身とても驚きました。
—— 生徒同士の関わりにも変化は見られましたか?
先生:
選択授業のため、ランダムに編成されたグループで取り組みました。
普段はあまり接点のない生徒同士が一緒に作業することになったので、最初は距離感がありました。
けれども、絵本作りの作業が進むうちに少し打ち解けて、アイデアを交換したり、絵やストーリーについて相談したりする場面も見えてきました。

生徒の意外な力を引き出す理由
普段は見えない力が発揮される絵本作りワークショップ
—— 絵本作りワークショップを通じて印象的だった生徒の変化はありましたか?
先生:
はい、とても印象的な出来事がありました。
普段はほとんど話さず、授業中もあまり反応がなかった男子生徒がいたのですが、絵本作りで新たな一面を発見しました。
とても丁寧にストーリーを考えて、絵も一生懸命に描いていました。
「この子にこんな力があったのか」と本当に驚きました。
普段の授業や学校生活だけでは見えなかった一面が、絵本作りという表現活動を通じて自然に引き出されたのだと思います。
—— まさに絵本作りならではの効果ですね。
先生:
そう感じます。
文字だけでは自己表現が難しい子でも、絵や物語なら自分を表現できるのだと改めて実感しました。
教師にとっても、生徒の新たな側面を知る大きな機会になりました。

絵本作りワークショップを他校で導入する際のポイント
迷っているならぜひ一度取り入れてほしい
—— 今後、他校の先生方が絵本作りワークショップを導入する場合、どんなアドバイスをされますか?
先生:
迷っているなら、ぜひ一度やってみてほしいです。
家庭科に限らず、他教科や総合学習、探究活動などさまざまな場面で活用できると思います。
もし年度途中での導入が難しければ、次年度の授業計画に組み込む形でも十分効果的だと思います。
私たち自身も、無料個別相談があったことで「やってみよう」と思えたので、もっと気軽に導入をオススメします。

絵本作りワークショップが自己理解を促す教育効果
自己理解・他者理解を深める絵本作りワークショップの価値
絵本作りは自己理解を深めるきっかけとして非常に有効だと感じています。
高校生はこれから進学や就職など、大きな選択を控えた時期にいます。
そうした中で、自分の興味や関心、価値観を改めて見つめ直すプロセスはとても重要です。
自己理解を促す活動は多いですが、文字だけで取り組むと限界を感じる場面もあります。
その点、絵本作りは絵や物語という手法を用いるため、生徒がより自由に自己表現できるのが大きなメリットです。
他者理解も自然に深まり、クラスの雰囲気が良くなる効果も期待できると感じました。

まとめ
絵本作りワークショップは学びの幅を広げる効果的な教育手法
今回のインタビューを通じて、京都府立乙訓高校の保育基礎授業で行われた絵本作りワークショップが、自己理解・他者理解を育てる教育効果が高いことが明らかになりました。
また、先生にとっても生徒の意外な力や新たな一面を発見する貴重な場になっていました。
今後も絵本作りワークショップが教育現場でより広く取り入れられ、生徒一人ひとりの可能性を引き出す学びの場が広がっていくことを期待しています。
「絵本作り」や「ワークショップ」に興味のある先生方は、ぜひ今回の事例を参考に、授業導入へとチャレンジしてみてください。
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