はじめに:「絵本教室」は、心の奥と向き合う旅

私たちが主宰する大人の絵本教室・出版コースには、「誰かに届けたい想いがある」「人生の一部を、絵本という形にして残したい」と願う方が集まってきます。

絵本作りの経験がなくても、絵や言葉に不安があっても大丈夫。
大切なのは、テクニックよりも「伝えたい気持ち」を持っていることです。

今回ご紹介する絵本『きおくのたね』(作・そらのでぐち)は、そんな想いから生まれました。
作者は、大人の絵本教室・絵本出版コースの受講生。ご自身の人生と深く向き合いながら、じっくりと時間をかけて一冊の絵本を完成させました。

そしてこの絵本は、今も胸の中にある「亡きお母様への想い」を、静かに、やさしく見つめ直す“心の旅路”でもあったのです。

あらすじ:ねこばあちゃんと、くまの子の約束

絵本教室絵本出版コース卒業生作品

物語の舞台は、小さな動物たちが仲良く暮らす森の村。
その村で、知識豊富でみんなに頼られているのが「ねこばあちゃん」です。

森の草花や昔話、季節のことをなんでも教えてくれるねこばあちゃんは、まるで村の知恵袋のような存在。
そんなねこばあちゃんを慕っていたくまの子は、ある日こう言います。

「一緒にコスモスを見に行こう!」

ねこばあちゃんはにっこり笑い、「楽しみだね」と約束を交わします。

けれど、いざその日がやってくると、ねこばあちゃんは来てくれません。
声をかけても、どこかぼんやりしていて、約束したことさえ覚えていない様子。

深く傷ついたくまの子。なぜ忘れてしまったのか分からず、涙が止まりません。
そんなくまの子に、医師のフクロウ先生がやさしく語りかけます。

「きっとねこばあちゃんの“きおくのたね”が、風に乗ってどこかへ飛んでいっちゃったんだよ」

“忘れる”という現象を、「たねが風に舞う」という表現で包み込んだこの物語。
くまの子はやがて、「たとえ忘れても、大切な人と過ごす“いま”の時間こそが宝物」だと気づいていきます。

作者の想い:言えなかった「ありがとう」と「ごめんね」

大人の絵本教室 絵本出版コースの様子

『きおくのたね』の作者は、子どもの頃から本を読むことが好きで、「いつか自分の絵本を出版したい」という夢を持ち続けていました。

絵本の主人公「ねこばあちゃん」は、作者にとって、亡くなったお母様をモデルにした存在です。

「ありがとう」「ごめんね」——
言葉にできなかった気持ちを、ページを重ねた一冊です。

この絵本は、届かなかった想いをもう一度届け直す物語でもあります。

制作の道のり:心と向き合う絵本教室

大人の絵本教室 絵本出版コースの様子

『きおくのたね』は、大人の絵本教室・絵本出版コースでじっくりと制作された絵本です。
受講前から、作者の中に明確な物語がありました。

そこにさらに深みを加えるため、講師とのやりとり、他の受講者との感想の交換、ワークを重ねる中で、少しずつ物語が立ち上がってきます。
とくにページをめくるごとに変化する“記憶の種の流れ”には、作者の繊細な感性が込められており、物語の情緒を視覚的に支えています。
絵の構成も、何度も描き直し、色合いや構図のバランスを調整しながら、読み手の感情にそっと寄り添うタッチに仕上がりました。

「読んだ人の心に、やさしく入り込んでいけるように」
そんな想いが、どのページにも静かに息づいています。

忘れることも、人生の一部として受けとめる

記憶が遠くなるということは、誰にとっても不安で、切ないことです。
けれど、この絵本はそれを「消えてしまう」のではなく、「どこかに飛んでいく“たね”」として描いています。

たねは、いつかまた、違う場所で花を咲かせるかもしれない。
そんな風に“忘れること”を受けとめることができたなら、少しだけ心が軽くなるかもしれません。

『きおくのたね』は、記憶や別れを描きながらも、あたたかな希望をそっと手渡してくれる絵本です。

こんな方におすすめです

絵本教室絵本出版コース卒業生作品

『きおくのたね』は、以下のような方におすすめです。

  • 可愛い絵が好きな方
  • 子どもから大人まで、心に残る絵本を探している方
  • 言えなかった想いを心に抱えている方
  • 絵本が好きなすべての方

この絵本は、ただの創作ではありません。
「描きたいことを描いた」、一人の人生の記録です。

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『きおくのたね』は現在、Amazonにてご購入いただけます。
プレゼントにも、ご自身の癒しの時間にも、ぜひお手にとってみてください。

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絵本教室卒業後の今後の展望にも注目

絵本教室での完成をきっかけに、作者のそらのでぐちさんは今後、個展の開催を検討中です。
作品の世界観をより深く体験できる展示や、新たな創作にもすでに取り組まれています。

これからの活動にも、ぜひご注目ください。
“きおくのたね”から始まった物語は、きっとまだまだ広がっていきます。

✏️ 作者:そらのでぐち
📷 Instagram @kumakuma.nikki

最後に──あなたの中にもある「きおくのたね」

絵本教室絵本出版コース卒業生作品

絵本作りは、記憶をたどること。
そして、心の奥にある“たね”をそっと拾い上げる作業です。

『きおくのたね』を完成させた作者のように、
あなたの中にも、言えなかった気持ちや、忘れたくない誰かとの時間があるのではないでしょうか。

その「きおくのたね」が、いつかあなたの言葉で芽吹く日がきますように。

大人の絵本教室についてご紹介

「絵本を作りたい」
そんな夢を叶えてみませんか?

絵本作家いろどりあつめによる絵本教室は、初めて絵本作りに挑戦する方の夢を応援する教室です。
絵本のストーリーの作り方、絵の描き方、文章、製本まで基礎から丁寧に指導。
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絵本作りを通して多くの学びと発見、新しい自分との出逢いが待っています。

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