


かいねこきぶんのお話から数年前 ママが子どもの頃から物語は始まります

子どもの頃のママ 誰かをじっと待っています。

「みーちゃん、おまたせ!」 やってきたのは女の子でした。 ママは女の子に名前をつけてもらっていました。 女の子は言いました。 「みーちゃん、今日は私のおうちに連れて行ってあげるね」

みーちゃんは初めて人の家に入りました。 人の家は暖かくて柔らかくてとても穏やかな気持ちになれました。

女の子はみーちゃんを家で飼いたいと思っているようです。 そこに家の人がやってきました。女の子は何か言われているみたいでした。

家を出た女の子はみーちゃんに言いました。 「おうちでは、みーちゃんを飼えないんだって・・・」 みーちゃんは気づいていました・・・

今日が女の子と遊ぶ最後の日だということを・・・

そして月日は流れ みーちゃんはママになりました。

ママは子猫たちに飼い猫になってほしくていろんな人に近づいていきました。 そうして、1匹目の子猫が飼い猫になることができました。

でも、もう1匹の子猫はママから離れようとしません。 ママは複雑な気持ちでした。 「このまま一緒に・・・」 しかし、外の世界で生きていく厳しさを知っているママは・・・

次の日、子猫が目を覚ますとママの姿がありません。 「ママ・・・どこに行っちゃったの?寂しいよ、ママ…」

子猫に飼い猫になってほしいママは子猫から離れることにしました。

そんな時、ママは優しそうな親子を見つけます。

子猫をあの親子に飼ってもらいたいと思ったママは親子の家までついて行きます。 そして家の窓をこっそり開けました。 「あの子がここから、この家に入りますように・・・」

それからママは、親子に見つからないように窓を開け続けました。 子猫が家の窓が開いていることに気づくまで毎日、毎日・・・

そんなある日、子猫はママが開けた窓から家に入ります。 暖かくて居心地の良い家を気に入った子猫は、毎日家に入るようになりました。 でも臆病な子猫は家の人に見つからないように隠れ続けます。 そして家に人がいない時間だけ家に入っては出ていくことを繰り返していました。

それは雪がたくさん降る朝のこと・・・ 寒さでママの手足は動かなくなってしまいました。

「早く窓を開けに行かなくちゃ・・・あの子が凍えてしまう」 子猫を心配するママ。 でも手足が言うことを聞きません。 その時、暖かい光がその光はママを包み込み、体を覆っていた雪を溶かしていきます。 そしてママの体は宙に浮いていきました。 「これは・・・」

でも驚いている暇はありません。 「あの子の元に急がなきゃ!」

「起きて!こんな所で眠ってはいけないわ」 ママ・・・! 「おとなしくしていなさい!」

「わあ!」 「ママ!これは夢?」 「どうかしらね」 「ママ、どこに行くの?」 「暖かい所に行きましょう」

子猫が目を覚ますと家の人が介抱してくれていました。 子猫は気づきました。 いつも開いていた窓・・・ ママがこの家の飼い猫になれるようにずっと開け続けてくれていたことを 「ママ・・・僕、飼い猫になれたよ」

「良かった。 素敵な名前をつけてもらいなさい。」

「みーちゃん!」 振り返るとそこにいたのは・・・ あの時、名前をつけてくれた女の子でした。 女の子は成長してすっかり大きくなっていましたがママにはすぐに分かりました。

「猫が空を飛んでいるのが見えて追いかけて来たの。 まさかとは思ったけど本当にみーちゃんだったなんて・・・ みーちゃんごめんね。あれから引っ越しとか色々あって・・・ でもずっと、ずっと・・・探していたんだよ」 「みーちゃんママになったんだね。 私も、もう子どもじゃないよ。 今度は絶対にみーちゃんを離さないから。」

幸せの名前をつけたときから続く 奇跡の物語。